自動車内装素材(ドアトリム)

リサイクルプロジェクト

南条装備工業 株式会社 と 大銑産業 株式会社 との共同研究・開発の結果、

立体的なPVC積層材の分離技術として、ユウキスライス工業が持つ技術が特許認定されました。

【取得特許要約】

立体形状積層体分離方法および立体形状積層体分離装置

【加工技術の概要】

立体的なPVC積層材を水平回転する刃物によって水平方向に裁断し、各素材を高純度に分離する新たな技術。従来のリサイクル方法(粉砕・比重分離)では課題となっていたリユース率の低さを改善する新しい試み。ベース技術は、発泡体加工として用いられるスライス加工。

一般的には、平面的な素材に対して使われる加工だが、ユウキスライス工業の分離方法と分離装置によって、立体的な素材を高精度に分離することが可能。スライス加工によって分離された各素材は、比較的高純度であるため、素材価値を大きく低減させることなく、次の用途へのリユースが期待出来る。

南条装備工業 株式会社

1915年(大正4年)、人力車の幌づくりから始まり、立体縫製技術や樹脂成形技術など、業界に先駆け開発してきた技術によって、マツダ(東洋工業・当時)様のグループ企業として、自動車部品、主にドアトリム等の内装部品に特化した「ものづくり」で開発・生産・販売を行っています。

大銑産業 株式会社

1831年の創業以来、鋳物の原材料や資材などを扱うトップクラスの商社として、事業所を全国に展開。多様化するお客様のニーズに応えるため、鋳物のほか「建設」「土木」「化学品」「燃料機材」「倉庫・不動産」の7部門体制を整え、国内外で事業を展開する複合商社です。

スライス加工でリサイクルに挑戦

リサイクルするPVC積層材

スライス対象となる素材は、ドアトリムの内装素材であり、PVC(塩ビ)とPP(ペフ)の複合素材です。ドアトリムを製作する際に廃棄される切れ端となります。今回の目的は、それぞれの素材を高純度に分離し、素材価値を低減することなく、次の用途へリサイクルすることです。

一般的には、粉砕機で砕き、化学的に分離させる方法を取りますが、それぞれの融点が大幅に違うことや、表皮のPVC(塩ビ)が柔らかいため、粉砕と分離が難しい材料です。そのため、僅かな数量しか再生材として使用されず、リサイクル率の低さが課題となっています。

そこで、水平回転する刃物によって水平方向に裁断する技術(スライス加工)を使って、物理的に分離させてみようという試みを取りました。

ドアトリム成形時に生まれる廃材

凹凸が施された立体的な形状

立体的な特殊形状

スライス加工を行うにおいて、問題となるのが、素材自身の薄さは当然のことながら、表面に凹凸が存在し、特殊な立体的形状をしている点です。左写真でも分かるように、ボタンのような部分や窪みなどが多数存在し、これらは全てスライス加工の妨げとなります。

弊社では、スライス加工専門工場として長年培ったノウハウと高い技術力により、この立体的な形状でさえも綺麗にスライスすることを実現しました。この技術こそが弊社の特許技術となります。

ペフ基材を分離し、塩ビ0.45mmを再生させる

特許取得 高精度スライス技術。


PVC(塩ビ)とPP(ペフ)の分離結果

スライス前 表皮は塩化ビニール(黒) 基材はペフ(白)

スライス後 塩化ビニール(黒)とペフ(白)の剥離例

廃材(積層材)の厚みは全体的に約3mmです。箇所ごとに厚みは変わりますが、塩化ビニール部分が約0.4mm、残りはペフになります。この塩化ビニール部分をどの程度残すのかによって、再生素材としての用途や価値が変わり、互いの残留物がゼロに近づくほど、リサイクル効率は上がります。

弊社のスライス技術によって、塩化ビニール部分を数種類の厚みにスライスして剥ぎ取り、ペフ部分と分離しています。右の写真のように、塩化ビニール部分には少量のペフ(白)が残っていますが、概ね高純度での分離が実現しています。立体的な形状のボタン部分や四隅もしっかりと分離出来ています。

スライス品はリサイクル価値を高める品質であることに加え、スライス加工で分離した場合、1工程のみでリサイクル素材へと生まれ変わりますので、工数の削減、つまりコスト削減も同時に達成することが出来ます。

スライス後 塩化ビニール部分だけを剝ぎ取った状態

本件に関するお問い合わせ

営業関連

大銑産業 株式会社

〒460-0002

名古屋市中区丸の内三丁目9番29号 ダイセンビル 5F

TEL.052-855-2270

担当:化成品部 奥野

技術関連

ユウキスライス工業

〒544-0012

大阪府大阪市生野区巽西2丁目2-26

TEL.06-6751-8196

担当:代表 松山

ユウキスライス工業

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